「春に散る」は佐藤浩市と横浜流星のボクサー映画。原作が沢木耕太郎の同名小説ということに興味が湧いたわけではなく。佐藤浩市が老コーチというのが、クリントイーストウッドの「ミリオンダラー・ベイビー」を思い出させて、観たくなったのだが。
全く違う映画だ。“ミリオン”の方は尊厳死という重いテーマを扱ってたが。
“春散る”は、ひとは何のために生きるか、ってハナシだ。
流星は失明のリスクを承知でタイトルマッチを戦い、勝ったけれどボクサー人生は終わってしまう。
大病で長くは生きられない佐藤浩市は、流星のタイトルマッチを実現させることに全てを捧げ、勝たせたけれど死んでしまう。
あと先考えず、損得勘定もせず、どうしてもやりたいこと、やらないでいられないことに挑んだ2人の男の生き様。
観ているおれたちの胸に、ぐさりと突き刺さってくる。
やらないではいられない何かに突き進む。
そんな生き方を、なぜしなかったのかな。できなかったのかな。
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