いわゆるフリーターやニートの増加が、若者の心性の問題なのではなく、政府の労働政策の失敗によるものであることを明確にしたうえで、広井良典氏が提唱する「人生前半期の社会保障」の強化策を敷衍しつつ、若年者の貧困問題解決に向けた処方箋を提示する。
とても内容が充実した良い本なのだが、若者への生活保護、給付付き税額控除の適用、最低賃金水準の大幅な引き上げ等、最低限度の生活水準を保障するのに必要な社会政策についての言及に乏しい。筆者は、ワークファースト論者なのだろうか。
目次
第1部 追いやられる若者たち
抜け出せない貧困
働きたくても、働けない
崩壊する若者の生き方
第2部 若者と労働を問いなおす
若者を包摂する雇用政策
働くためのゆるやかなステップ
いま若者にとって自立とは何か?
第3部 解決への道
システムとコミュニティで包摂できる環境へ
若者にとっての生活保障の再検討
若者が幸福なんて誰がいった!若者に関する議論が見落としている点、それは彼らが社会から見捨てられているという現実である。フリーター、ニートは、いまだ、甘えた若者と思われがちだが、それは幻想に過ぎない。高校中退し、アルバイトにさえ就くことができない。家族と離れ、路頭に迷い、ホームレスになる。どこに助けを求めてよいかわからず、孤立する。そのような若者の急増に対して、私たちはなにをなすべきか?若者の実態を明らかにし、彼らを孤立させない方法を提示する。
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