見出し画像

本と音楽とねこと

ベーシックインカムは究極の社会保障か

萱野稔人編著,2012,ベーシックインカムは究極の社会保障か──「競争」と「平等」のセーフティネット,堀之内出版.(9.21.2020)

 竹信三恵子さんと後藤道夫さんの論考は読みごたえがあった。
 わたしがベーシックインカム(BI)、とくに部分BIを支持するのには、明白な理由がある。
1.日本社会では、生活保護の漏給率がきわめて高く、国や自治体はもちろんのこと、国民の多くが、生活保護を普遍的な最低所得保障として認めていない。少額とはいえ、増え続ける生活困窮層の生活を下支えする普遍的な現金支給は欠かせない。
2.BIは、生活保護のように、スティグマ(恥辱感情)を生まない。また、「就労の罠」、「貧困の罠」に陥るリスクも低い。
3.「家事労働に賃金を!」というのは、マルクス主義フェミニズムの重要な主張であるが、日本のような儒教的家父長制が温存されている社会では、稼得者である男性に経済的に依存する女性の「内助の功」に貶められている。BIは、自らの心身のケア、家事、育児労働の手当てとして、万人に保障されるべきである。それは、いのちある者の存在を、稼得能力を問わず、無条件に承認することでもある。
 BIについては、ひきつづき、考察を深めていきたい。

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「本」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事