久しぶりに、良い本にめぐりあった。
SNSに対する筆者の絶望に深く共感する。
SNS、とくに、Twitterは、「都合のよい他者と自分をタグ付けし、いわば誰もが胎児のような全能感の中に自閉する」(p.172)「テレビワイドショー文化の劣化コピー」(p.20)そのものである。
矮小な自己愛を垂れ流す人たちの惨めさを興味深く観察するわたしも悪趣味ではあるが、きもち悪いことこのうえない。
そんなまっとうな感覚で書かれた本書には、絶望するほかない現実をやりすごすヒントが溢れている。
目次
序章 オリンピック破壊計画
TOKYO2020
平成という「失敗したプロジェクト」 ほか
第1章 民主主義を半分諦めることで、守る
2016年の「敗北」
「壁」としての民主主義 ほか
第2章 拡張現実の時代
エンドゲームと歌舞伎町のピカチュウ
「他人の物語」から「自分の物語」へ ほか
第3章 21世紀の共同幻想論
いま、吉本隆明を読み直す
21世紀の共同幻想論 ほか
第4章 遅いインターネット
「遅いインターネット」宣言
「速度」をめぐって ほか
「いま必要なのは、もっと“遅い”インターネットだ」インターネットによって失った未来を、インターネットによって取り戻す。民主主義を半分諦めることで、守る。そのための「21世紀の共同幻想論」
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