タイトルに直接答える論述は最後の数ページのみ。大部分が、日本の仏教各宗派の生誕、発展もしくは衰退の歴史の記述に当てられている。教科書的な記述の域を出ない内容だが、忘却していた事柄も多く、日本仏教史の概略を把握するにはいい本だと思う。
日本の仏教はさまざまな宗派に分かれており教義や実践方法が大きく異なる。にもかかわらず多くの人、とくに地方から都会に出て菩提寺とのつきあいを絶った人は関心を持たない。だが親や親戚の葬儀を営む段になって途端に宗派を気にするようになる。家の宗旨に合った僧侶を導師として呼ばねばならないからだ。そこで初めて「うちは○○宗だったのか」と知る。そもそも宗派とは何か。歴史上どのように生まれたのか。本書は、日本の主な仏教宗派を取り上げ、その特徴、宗祖の思想、教団の歩み、さらに他宗派との関係、社会的影響をわかりやすく解説した。
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