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沖縄で暮らす若者たちの、地域共同体からの離脱あるいは共同体の相対化、共同体からの排除と包摂といったさまざまなありようを、沖縄における階層とジェンダー間の格差を問題意識の根底におきながら、膨大なインタビュー記録を駆使して、描き出す。
やはり、打越正行が描く、暴力渦巻く建築現場労働者の世界と、上間陽子が描く、崩壊家庭で育ち、15歳にして家出し売春で糊口をしのいできた女性のライフヒストリーは、ともに強烈だ。
登場する人物が生き生きと躍動するモノグラフは、あまたある社会学研究のなかでもっとも読む者をひきつけるものであろう。
階層格差という現実のなかで生きられる沖縄的共同性―。膨大なフィールドワークから浮かび上がる、教員、公務員、飲食業、建築労働者、風俗嬢…さまざまな人びとの「沖縄の人生」。
目次
序文―沖縄にとって「地元」とは何か
第1章 沖縄の階層と共同性
第2章 距離化―安定層の生活史
第3章 没入―中間層の共同体
第4章 排除1―不安定層の男たち
第5章 排除2―ひとりで生きる
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