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本と音楽とねこと

女肉男食──ジェンダーの怖い話

笙野頼子,2023,女肉男食──ジェンダーの怖い話,鳥影社.(3.10.24)

 なんだかなあ、周司あきら・高井ゆと里,2023,トランスジェンダー入門,集英社.ショーン・フェイ(高井ゆと里訳),2022,トランスジェンダー問題──議論は正義のために,明石書店.等での議論は、当然ふまえた上で、公平にジャッジするんだけどさ、笙野さん、あんた、ずいぶんとズレたこと言ってるよ?

 笙野さんは、LGBT理解増進法成立の前段階の与野党協議で、法案に性自認という言葉が忍び込まされそうになったことに怒ってる。

 そればかりではない、実はここに性自認という、一般の見慣れぬ新しい言葉が入っていた。これが本陣、曲者である。
 この、性自認とは何か?ジェンダーアイデンティティーという語の新訳である。これは今までの旧訳(性同一性という)が苦労して身につけてきた穏健性や、してきた議論を一発で無効にしてしまうだけの地獄の一語だった。
 というかそもそも今までの日本ではこの性同一性という言葉を使う法律は常にその牽制と制限を旨としてきた。檻に入っていた。が、・・・・・・。
 要するにこの新語により今まで折衝してきたものが全てなくなるのだった。それは解き放たれた猛獣となるであろう。なおかつ「差別は許されな」くなる。その結果なくなるのは主に弱者の生存権、言論の自由、子供の未来。この危険性について、最近の私はずっと訴えていた。
(p.3.)

 ジェンダーアイデンティティねえ、、、

 まず、ジェンダーについて。

 ジェンダー概念は、あまりにひどい性別間格差と性差別に憤ったフェミニストたちが、生得的解剖学的性差としてのセックスとは別の、社会的文化的に構築された性差の意味で使いはじめたものだ。
 そこには、ジェンダーは構築されたものなのだから、きっと変えられる、変えていこうという含意がある。

 もちろん、セックスとジェンダーは分かちがたく結びついている。
 笙野さんがやり玉に挙げるジュディス・バトラーは、たしかに、バチもんだよ。
 セックスもまた構築されるものだ、って、バカ言うなよ。
 プロゲストロンやテストステロンのはたらきを、舐めちゃいけない、と思うな。

 でも、セックスもジェンダーも、それこそn個の性、なのであって、各人各様、人それぞれ、多様なスペクトラムのどこかにわたしたちはいるだけであって、女/男の平均・最頻値をもって、暴力的にカテゴライズされたくないわ、それがフェミの主張っしょ?
 ちゃんと、わかってる?

 わたしも、性差医療は重要であると思ってるし、女のPMSについてもっと男は理解を深めるべきだと思ってるよ。
 だからといって、すべての女が、性差医療を必要としたり、PMSでイラつき発情するわけじゃないっしょ。

 次に、アイデンティティ概念について。

 これは、米国の心理学者、エリック・エリクソンが、「自己の一貫性・連続性・統一性」として定式化したものだ。

 要するに、「自分が自分であること」、「自己の存在証明」ということになるんだけど、それって、「自己認識」=「自認」ってことだろ。

 そしたら、ジェンダーアイデンティティ=性自認で、なにがおかしい?

 J・マネー&パトリシア・タッカーの『性の署名──問い直される男と女の意味』での古典的な議論、それから、ジョン・コラピントの『ブレンダと呼ばれた少年―性が歪められた時、何が起きたのか』でレポートされているとおりにさ、男性外性器を欠損したデヴィットくんが、マネーにそそのかされて、ブレンダという女の子として育てられたけれども、結局、女でいることに耐えきれず男にもどって、女性と結婚したんだけど、結局、離婚する羽目になり自殺した話しとかさ、いかに、人間にとって、プロゲストロンやテストステロンのはたらきが強力なものなのか、教えてくれてるんだけど、そうした悲喜劇もあって、現代のセクソロジーは、「(ホルモン療法等で)出生時に割り振られた性別は変えられてもこころの性別は変えられない」って結論になってるわけだよね。
 ま、Gender Incongruence、Gender Dysphoriaの生成機制については、まだわかってないことが多いんだけどね。

 あ、そうか、笙野さん、「性自認」という概念を許容すると、「わたし女でーす」と言う偽トランス女(男)が、女子トイレや、女湯、あるいはレズビアンのコミュニティに侵入してくることを警戒してるのか。それについて後述するね。

 笙野さん、「こころ」についても、その実在性について、疑問に思ってるんだっけ。

 あのね、こころ=脳じゃないの。
 こころの9割方は脳の働きなんだろうけど、こころは脳以外の身体とも不可分だからさ。
 こころの実在性を仮定しないと、人間の科学も自他の認識も成立しないのよ。
 わかるかな?

 いきなり「ジェンダーガー」で始めて、ろくな説明もなく申し訳ありません。でもほら反ジェンダーは、説明不要な程簡単な認識、以下のとおりの繰り返しですよ?ちょっとやってみますね。
 では、まず、──「男は女湯に入るな」、「男は女子トイレに入るな」。
 次、――「男は女子シェルター、女子病棟、女子採尿室を使うな」、そして?
「男はオリンピックの女子スポーツに出るな」、「男は婦人議員枠で立候補するな」、さらに「男は妊娠等で不利になるが故にわざわざ設けてある専門職女子枠を奪って就職するな」、さて、ここまでで、あなたはジェンダー主義者ですか、反ジェンダーのターフですか?もう少しこのまま続けますね・・・・・・。
「男は婦人科に来て、あたくしは生理がないんですなどという相談をして、医者に拒否られたらそれを差別だと言うな」、「男への子宮移植を要求するな」、「男は国勢調査とか健康保険証、病院のカルテ、性犯罪の統計における性別欄に、勝手に、自分は女だと書くな(性犯罪の99パーセント以上は男が起こすのだ)」さらに?「自分らだけで同性愛の定義を勝手に変えるな、男は勝手に自分をレズビアンだと言うな、男なのにレズビアンを口説いて断られたら差別だと言うな=あの人らには断る権利がある、邪魔をするな」、さてきつい一発「これを使えば男から女になれるだのと子供を騙して怖い薬をかけ、生涯の奇形や盲目、病気にしてしまうのをやめろ=子供の医療虐待をやめろ」。
(pp.39-40.)

 さて、「男は女である=トランス女性は女性です」側、肉体が男の側。さあこれで遠慮なく男は女を殴れる。女湯に入れる、「同性介護」で女にガールディックを洗わせる人権(男根権)も獲得。パリテの女性枠もちゃっかりと占領、痴漢、露出狂も女性シェルターに泊まる。その他強姦救済シェルターの相談員、産婆、ガールスカウト合宿指導員、これ男にしたら困るやつばっかり。でも本人は「あたくしは気にしていません」で全部オッケー、日本など巫女さんはお風呂(お浄め場)が一緒になる可能性あり。謎人権ですね。
(p.54.)

 あのさ、そんな、トランスフォビアのヘイトを吐き散らかされても、なんの説得力もないんだけど。

 女子トイレや女湯、あるいはレズビアンのコミュニティに侵入してくる偽トランス女(男)の恐怖については、よく聞く話しなんだけどさ、そういう、迷惑な変質者、痴漢は、シスの男の方が圧倒的に多いわけでさ。
 そういう不届きな、陰茎のついた自称トラ女がいたら、即叩き出すか、警察呼べばいいだけだろ。
 性別適合手術を受けてない、真性トランス女については、トイレもお風呂もご遠慮いただくしかないケースもあるだろうけど、それはしかたないんじゃないかな。
 痴漢とか覗きとか露出とか盗撮とか、性虐待とか性暴力とか、「男という病気」の問題として対処すべきであって、トランスフォビアを煽るためにそれらをもちだしたらいかんでしょ。
 いいかげんにしろよ。

 今まで見たように、この謎人権は概ね、女権殲滅的、児童虐待的、同性愛者侮辱的、言論破壊、法律リセット的なのがその本質です(性分化疾患者の黙殺や侮辱的発言もありますから後述)。このままだと国民は最悪それを全部受け入れなければならなくなる。また、それは時に立法されずとも人権と化してゆく。弱者の人権も行政予算も公的医療も税金も喰われて行く。なんでそれが反差別のトップに踊り出たのか。はい、ここがポイント、とどめ、要は、ついにネタバレ。試験にはここが出ますよ(泣)。
 理由?──世界の富豪や富豪の財団、また医療複合体や広告宣伝会社、そのような人々の意向を受けた巨大資金が、ジェンダーを暴走させているんですね。企業名で言うと?ファイザー、マイクロソフト等、日本でも大手の製薬会社。人で言うと?ビル・ゲイツ、ジョージ・ソロス等、国内では竹中平蔵ですね。団体だとオープンソサエティ財団、アーカス財団、日本においてはまあ既に外資化を終えた経団連、電通。ああ、その他には、日本財団も。証拠?ありますとも、このジェンダーに基づいた権利主張をするデモの支援企業がこことここ、等私は言っているだけですので。そのデモを日本共産党ジェンダー平等委員会の山添拓氏が絶賛しています。この人今志位さんの後継者候補です。
(p.66.)

 たしかに、英国のタビストッククリニックなんかが、まだ性自認が揺れ動いている子どもや青少年に、安易な性別移行のためのホルモン療法を実施し、多くの犠牲者が出たことは、トランス界隈でもちゃんと認識しておくべきことだと思うよ。

若年者へのトランス医療問題で訴訟をおこしたキーラ・ベルさん、自身の歩んだ道のりを語る

 そして、そうした悲劇に、性ホルモンの薬剤を売りつける、製薬会社の利権が深く関わっていることについてもね。

 それにしても、かなり、小児病的な陰謀論に毒されすぎだな。
 いいかげんにしろよ。(再)

 そのようなわけで、本書は、うんこ本です。

 話しのネタとして活用するには、いいのかも、です。

議論の続くLGBT法案…。「平等」「差別禁止」を謳う法律に忍び込む毒、その危険すぎる一語性自認=ジェンダーアイデンティティーとは?そもそもジェンダーとは?ゲイの人気タレントや一般女性までが現在反対している理由とは何か?LGBT、LGBTQを一括りにしてはいけない理由とは何か?TERFとして追放された文学者・笙野頼子による、報道、解説、提言の書。

目次
前文 LGBT理解増進法に隠された秘密、毒饅頭、その危険性とは?
ジェンダー?それは新世紀に突然変異して謎人権と化したウィルスである
てことで?これ、昔は誰も知らないフェミニズムヲタク用語でした
ジェンダー=「自己表明性別=言うだけ口だけ性別」と訳して新訳に出来る?
殴れば勝てる相手でも殴らず対等に話し合おう、肉体格差の是正も男女平等です
インチキポストモダンのクイアフェミニストで、世界的なジェンダー学権威のジュディス・バトラーが言い出しっぺなんですね
あほもかしこも反ジェンダーになあれ、女に生まれた、汝自身を知れ!
GENDER MEANS SEX,AND INCLUDES A PERSON’S GENDER IDENTITY AND GENDER EXPRESSION(翻訳?不可能です笑)
トランス女性は女性ではなく男なんです
まあそういうわけで罪深いジェンダーウィルスですよ?ほか


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