サイコキラーを題材にした小説の白眉は、なんといってもトマス・ハリスの一連の作品だろうが、本書も映画ともどもサイコキラーならではの悪意なき殺意についての描写に優れている。トマス・ハリスは、殺人をいとも美しいスポーツであるかのように描き、読者を幻惑し、欺くことに成功したが、『悪の教典』にはそこまでの悪意はない。なにより人物描写が単純明快で、サイコキラーを自覚なき「悪者」として明確に位置づけたことが、万人受けした理由だろう。
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