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大杉栄と伊藤野枝は、わたしにとっても、とても偉大な人物だ。
大杉栄と伊藤野枝の子どもたち、魔子、エマ(次女)、エマ(三女)、ルイズ、ネストルの人生にも、興趣をそそられる。
魔子あらため真子さんについては、瀬戸内寂聴さんが、『諧調は偽りなり──伊藤野枝と大杉栄』で紹介しているが、本作ではルイズあらためルイさんの生活史が語られている。
大杉栄と伊藤野枝の子というより、昭和という時代を生きた一人の女性の生活史として興味深かった。
国家権力によって虐殺されたアナキスト大杉栄と伊藤野枝。父母の遺骨を前に無邪気にはしゃいでいた末娘のルイズは、父の名づけた革命家の名と“主義者の子”の十字架を背負い、戦前戦後を平凡に生きた。そして、やがて訪れた、一人の自立した人間としての目覚め。一年六ヵ月に亘る聞き取りと事実に肉迫する記録者の視線が、一女性の人生と昭和という時代を鮮やかに照射する。講談社ノンフィクション賞受賞作。
目次
第1章
葉鶏頭
埋葬 ほか
第2章
魔子
講堂 ほか
第3章
鎖
日の丸の旗 ほか
第4章
結婚
満州 ほか
第5章
真子出奔
レッドパージ ほか
第6章
借金
戸籍簿 ほか
第7章
小さな仏壇
生地へ
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