本と音楽とねこと

どうなる金融危機

総額53兆円想定か 米政府の不良資産買い取り

 今朝の新聞に、米保険会社最大手アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)日本法人が、保険加入者に、自社の経営は盤石であり加入者に不利益が生じるようなことはないと訴える一面広告が掲載されていた。ここ数週間、やけにAIGの広告出稿が多いなと思ってたら、例の経営破綻騒ぎ。証券会社(リーマンB)や地方銀行は潰せても最大手の保険会社はさすがに潰せない米政府によりとりあえず救済されたが、巨額のCDS(クレジット・デフォルト・スワップ=債務保証保険)を抱えるAIGの経営破綻の危機は、アメリカの住宅価格が下げ止まり信用収縮が健全なマーケットメカニズムによって収束しないことには、さらに続いていくことになるだろう。ちなみに、わたしは、人生まだこれからのわけーもんには、保険会社に勤務する人には申し訳ないけれども、保険は県民共済と全労済でかけておくのが無難とこっそり言ってきたが、これは正しい助言であったように思う。
 さて、1991年以降のバブル経済崩壊、1997年の(アジア)金融危機と、日本経済が直面した苦い経験があるにもかかわらず、アメリカはなぜこのような金融危機を招来させてしまったのか。その最大の理由は、ブッシュ政権が住宅市場の活性化のために採用したノンリコースの住宅ローン制度にあるだろう。これは、ローンの借り手が返済に窮し住宅を差し押さえられた場合、担保物件の没収とともに住宅ローンの残債もチャラになるという制度だ。住宅価格が下落し残債を埋め合わせることができなければ、たちまち不良債権が生じることになる。貸し倒れのリスクが高い者にCDSに担保されたこうしたローンを組ませていけばどうなるか。景気が後退し住宅バブルが崩壊すれば金融危機が生じることは、小学生でも予測できるだろう。
 この金融危機を回避するには、政府による金融機関の救済しか打つ手はない。しかし、救済のツケは国債の発行で埋め合わせるしかない。アメリカは、年間約50兆円の財政赤字に陥っているので、金融機関の救済資金とあわせて年間100兆円以上の国債発行が必要となる。(住宅価格の下落が続けばさらに負債はふくらむ。)日・欧・ロシア・中国・アラブ諸国は、それを買い続けるのか。買い続けないと世界大恐慌は不可避だが、アメリカ人が抱えた借金のツケを自国の国民に支払わせ続けるわけにもいかないだろう。おそらくもっとも賢明は危機回避策は、アメリカ政府に厳しい条件を突きつけながら財政支援を行い、アメリカの国力をゆるやかに弱体化させていき、ヘゲモニーの多極化をはかっていくことだろう。そのとき、アメリカドルはもはや世界の基軸通貨ではなくなっていることであろう。

 うは、朝日の社説みたいなこと書いてしまったぜい。www

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

※ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

  • Xでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「金融」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事