日常生活のなかに遍在する差別現象について、つねに自己意識のあり方に立ち返りながら、考察した本。
幾多の暴力被害者、自殺者を生み出した、差別糾弾会のあり方をのうのうと肯定的に語りながら、細部にわたって自らの差別意識を内省する神経が理解できないし、差別語が差別-被差別の固定的関係を相対化せんがために意図的に使われる場合があることを無視した議論には賛同できないが、日常的な差別現象にひそむ権力作用を丹念に言語化している点では優れた試みであると思う。それから、徹底的に自省的であろうとするのならば、広島修道大学での解雇事件についても元当事者として取り上げていただきたかった。
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