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住宅ローンや家賃を払えなくなり、キャンピングカーでアメリカ全土を渡り歩く人々を描く。
彼ら、彼女らの大半は、かつては中流階層に属していた高齢者である。住居費は不要となるとはいえ、年金だけでは生活できず、アマゾンの倉庫等で過酷な労働に就きながら、ただひたすら漂流する。
現代アメリカのノマドたちは、ホームレス、底辺高齢奴隷労働者、自由人、それらのどれでもある。
本書の優れた点は、ノマドたちのなかに、医療を受けることができずに病死する者や自殺者が少なくないこと、とはいえ、放浪することができるのは白人の特権であることを正しく指摘していることにある。
現在のアメリカ合衆国やイギリスの貧困問題は、将来の日本のそれでもある。
一見、キャンピングカー好きの気楽なリタイア族。その実、車上生活しながら、過酷な労働現場を渡りあるく人々がいる。気鋭のジャーナリストが数百人に取材、老後なき現代社会をルポ。日本の明日を予見するノンフィクション。
目次
第1部
スクイーズ・イン
八方塞がり
アメリカを生きのびる ほか
第2部
アマゾン・タウン
クォーツサイト
ラバートランプ集会 ほか
第3部
ホはホームレスのホ
RTRへの帰郷
椰子の殻に入るタコ
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