医療小説というスタイルをとりながら、激動の近代史、親子四代にわたる町医者としての矜持、人の生命のはかなさ等々、とてもよく描かれていると思う。終戦直後、ソ連兵にレイプされ妊娠した女性たちが、二日市の病院で堕胎手術を受けたくだりは、涙した読者も少なくないだろう。
登場人物たちが、折りにふれて詠む俳句が胸にしみる。
戦争、回虫、高齢者施設、コロナ禍……地方で四代続く〈町医者の家〉を舞台に、日本の近代医療百年の歩みを描く、待望の感涙医療小説
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