世界最高水準の高福祉社会として知られたデンマークについて、表層的な観察と予断にもとづく高福祉高負担の北欧社会への礼賛に陥ることなく、現地のマスコミ報道を織り交ぜながら、タイトルどおり、なお高福祉を維持しながらも新自由主義によりその屋台骨がぐらつく現地の状況について、中立的に紹介している。
目次
序章
福祉国家から福祉社会へ
デンマークの「小泉純一郎」政権
金融危機後の雇用情勢
デンマーク経済再建パッケージ
公共福祉削減の真相
セーフティネットの脆弱化が招く、格差拡大
本書の内容
デンマークの行政組織の階層とその役割
第1章 無料の代償
「高福祉」を支える税制度
教育制度の変容―「国際競争力」の名のもとに
揺れる医療制度
第2章 個人の意思尊重の代償
肥満との闘い
アルコール・薬物濫用と精神疾患
ドロップアウトする若者たち
第3章 寛大な福祉給付の条件
失業対策
年金制度―社会連帯から自己責任へ
第4章 選別される外国人
移民政策と国内の反発
「テロとの闘い」と「自由」のはざまで
第5章 フレキシキュリティの陰
社会民主主義の変容
労働組合とストライキ
金融恐慌の後で
医療界に入り込んだ市場原理、教育に浸透する成果実義、規制緩和、自由選択と自己責任…「世界一幸福な国」は大きく変貌しつつある。高福祉国家に降りかかる、新自由主義の波。
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