「性別不合」に悩む人たちが、どこで、どのような手続きを経て、「性別適合手術」を受けてきたのか、本書を読めば、その全貌が把握できる。
出生時に判定された性別が戸籍に記載されるわけだが、それが性自認(Gender Identity)と一致するとは限らず、2004年に施行された、いわゆる「性同一性障害特例法」により、性別不合当事者は、性別適合手術を経て戸籍の性別を変えることができるようになった。
ところが、さまざまな事情から、日本の病院と医師は、性別適合手術の実施に消極的で、施術の先進地、タイの病院、医師と当事者を仲介するアテンド業、「性転師」が暗躍してきた。
ブローカーがいるんだろうなと思ってはいたが、性別適合手術仲介業が新規のビジネスとして、また当事者が当事者を支援するなかばボランタリーな事業として定着してきたとは、わたしも初めて知った。
性別適合手術は健康保険が適用されるようになったが、施術に至るまえに「ホルモン療法」か欠かせず、それが保険適用外のため、ホルモン療法-性別適合手術が日本では禁止されている「混合診療」にあたることになり、結局、全額が自己負担となる。ホルモン療法も保険診療として認めるよう、当事者とその支援者は国に要請しているが、いまだに実現していない。
性同一性障害の当事者に「早い・うまい・安い」のタイ・バンコクでの手術を斡旋、仲介する業者の面々。彼らはいったい何者なのか?なぜ、彼らは生まれたのか?性転換ビジネス陰の実力者「アテンド業」の実態に迫る迫真ルポ。
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