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本と音楽とねこと

脱原子力社会へ

長谷川公一,2011,『脱原子力社会へ――電力をグリーン化する』岩波書店(新書,¥840)'11.11.18

 世界と日本の原子力発電をめぐる動向、問題状況と、地域性、運動性、事業性を兼ね備えた、再生可能エネルギーによる電力グリーン化の試みが紹介されている。独自の試算に基づいた脱原子力の提言にはとても説得力がある。

目次
第1章 なぜ原子力発電は止まらないのか
福島第一原発事故の教訓
なぜ原発建設は続いてきたのか
札束と権力―原子力施設受容のメカニズム
原発推進路線の袋小路
第2章 「グリーン化」は二一世紀の合い言葉
原子力離れと電力のグリーン化
サクラメント電力公社の再生が意味するもの
地球温暖化と「原子力ルネサンス」
電力をグリーン化するために
第3章 地域からの新しい声
巻原発住民投票の背景と帰結
再生可能エネルギーによる地域おこし
市民風車と市民共同発電
第4章 脱原子力社会に向けて
エネルギーとデモクラシー
ドイツはなぜ脱原子力に転換できたのか
日本の選択

エネルギーの選択は、どのような未来を選びとるのか、社会のあり方の選択の問題でもある。電力のグリーン化をキーワードに、カリフォルニアやドイツでの「省エネ」を超えたエネルギーの効率利用、再生可能エネルギー活用の実践をふまえ、政府・企業・NGO・消費者の協働にもとづく、未来志向的な「脱原子力大国」への政策転換を提言。

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