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本と音楽とねこと

絶望の国の幸福な若者たち

古市憲寿,2011,『絶望の国の幸福な若者たち』講談社(¥1,890)'11.11.18

 弱冠26歳にして、前作とはまた違った趣向で読者を楽しませるこの才覚、議論を無理なくぐいぐい展開していく構想力とがんばりはすごい。ポップな文体もいやみがなくむしろ小気味いい。
 筆者が希望をつなぐ「将来は不安だけどいまはそこそこ幸せで楽しい、もし戦争が起きたら速攻で逃げる」若者の姿は、もう30年くらい昔に注目された、「私生活中心主義」に根ざし他者に優しく身の丈に合ったライフスタイルを志向するそれに合致する。結局、ほとんどなにも変わっていないことに、あらためて愕然とした。

目次
第一章 「若者」の誕生と終焉
第二章 ムラムラする若者たち
第三章 崩壊する「日本」?
第四章 「日本」のために立ち上がる若者たち
第五章 東日本大震災と「想定内」の若者たち
第六章 絶望の国の幸福な若者たち
補章 佐藤健(22歳、埼玉県)との対話

格差社会のもと、その「不幸」が報じられる若者たち。だが、2010年の時点で20代男子の65.9%、20代女子の75.2%が現在の生活に「満足」している!これまでの若者論を覆す、「幸せ」を感じている若者の正体を徹底的に取材した最注目の若き社会学者が満を持して立ち上げる、まったく新しい「若者論」。佐藤健(俳優)との特別対談も収録。

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