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本書では、欧州における自治体の反ネオリベラリズム、反グローバリズムの運動が克明に描き出されている。筆者の岸本さんは、ベルギーのNGO職員から杉並区長に転じた方だ。
賞味期限が過ぎたように思える間接民主主義ではあるが、欧州における自治体による直接民主制の挑戦は、袋小路に陥ったかにみえる政治に光明となる風穴をあけていることがわかる。
地べたから、私たちの民主主義を始めよう。異色の経歴と先進的な政策で注目の杉並区長が、奪われ続けてきた“公共”の回復のために、ヨーロッパで広がる“地域主権主義”の息吹を伝える。
目次
序章 杉並区は「恐れぬ自治体」をめざす
なぜ区長選挙に出馬したのか
“対話”を基調とした手づくりの選挙運動 ほか
第1章 ミュニシパリズムとは何か
世界各地で急成長するミュニシパリズム
ミュニシパリズムとEU―資本の論理と公共のせめぎあい ほか
第2章 新型コロナパンデミックと「公共」の役割
コロナ騒動のなか、あえて難民危機と国家について考える
コロナ危機下で人々の暮らしをどう守るのか ほか
第3章 気候危機に自治体として立ち向かう
自治体からの異議申し立て―地域主権のグリーン・リカバリーへ
住民の権利と脱炭素社会へ、行動する自治体 ほか
第4章 「もうひとつの世界」はもう始まっている
フランス地方選挙で起きた「躍進」―市民型選挙の戦い方を学ぶ
保守政治を打ち破り、分断を越えるための草の根の拠点 ほか
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