架空の主人公をとおして、当事者研究、ナラティブ・セラピー、中動態の世界、そしてオープンダイアローグ・アプローチを、わかりやすく解説する。
こうした小説仕立ての解説書は、往々にして滑りまくってしまいがちなのだが、本作はそのようなことはなく、うまく仕上がっているように思う。
当事者研究とオープンダイアローグ・アプローチの格好の入門書だ。
双極性障害(かもしれない)大学生、唯の物語が始まる!―自助グループを切り盛りするなかで、吃音、発達障害、鬱、摂食障害、ひきこもり、LGBTの仲間と出会い、当事者研究とオープンダイアローグに目覚める旅は、大学教員となった唯先生による講義編へ―ユーモア、苦労の哲学、中動態の概念と、ハイデガー、アーレント、バフチンの思想が交差する、さらなる深みへの旅は進む!ほがらかタッチのへたうまイラスト、「唯のひらめきノート」、荒唐無稽なゲームブックなど、ユニークな世界観を味わいながら、当事者研究とオープンダイアローグを楽しく学ぼう。
目次
五月 プロローグ
六月 マンガ「あめのみに」
七月の対話 初めての当事者研究会
講義1 苦労とユーモア、人間愛、生命のリズム
八月 唯の詩「ヤンヤンさん」
九月の対話 オープンダイアローグ・アプローチ(一)
講義2 ナラティヴとポリフォニー
一〇月 主宰者が欠けた当事者研究会
講義3 中動態の時空
一一月 唯の日記より
一二月の対話 オープンダイアローグ・アプローチ(二)
講義4 共進化と二週間のポリフォニー
一月 特訓風景
二月 当事者研究会の司会を務める
講義5 現れの空間と対話
三月 オープンダイアローグ・アプローチ(三)
四月 エピローグ
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