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本と音楽とねこと

三体

劉慈欣(立原透耶監修,大森望,光吉さくら,ワン・チャイ訳),2019,三体,早川書房.(2.15.2020)

 構想、壮大にして、スリル満点で、ハラハラドキドキの超ド級SF小説。
 こんなスケールの大きなSF小説、中学生のときに読んだ、アイザック・アシモフの『暗黒星雲のかなたに』やアーサー・C・クラークの『幼年期の終り』以来だと思う。
 陽子が11次元にまで展開されるくだりにはさすがにくらくらしたが、とにかく構想がすごい。デイヴィッド・ベネターらの反出生主義を彷彿とさせる思想が挿入されているなど、ただその質の高さに驚くほかない、中国SF小説の傑作だ。

物理学者の父を文化大革命で惨殺され、人類に絶望した中国人エリート科学者・葉文潔(イエ・ウェンジエ)。失意の日々を過ごす彼女は、ある日、巨大パラボラアンテナを備える謎めいた軍事基地にスカウトされる。そこでは、人類の運命を左右するかもしれないプロジェクトが、極秘裏に進行していた。数十年後。ナノテク素材の研究者・汪森(ワン・ミャオ)は、ある会議に招集され、世界的な科学者が次々に自殺している事実を告げられる。その陰に見え隠れする学術団体“科学フロンティア”への潜入を引き受けた彼を、科学的にありえない怪現象“ゴースト・カウントダウン”が襲う。そして汪森が入り込む、三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?本書に始まる“三体”三部作は、本国版が合計2100万部、英訳版が100万部以上の売上を記録。翻訳書として、またアジア圏の作品として初のヒューゴー賞長篇部門に輝いた、現代中国最大のヒット作。

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