本と音楽とねこと

フラット化する世界

Friedman,Thomas L.,2007,The World Is Flat [Updated and Expanded]: A Brief History of the Twenty-first Century,Farrar, Straus and Giroux(=2008,伏見威蕃訳『フラット化する世界 [増補改訂版] ──経済の大転換と人間の未来(上)・(下)』日本経済新聞出版社(各¥2,100)'11.1.9,'11.1.19)

 本書を、ナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』と読み比べてみれば、視点の置きどころと取材対象のちがいによって、現代史がかくも異なった様相をもって立ち現れることに驚かされる。
 おそらく、どちらも間違っているわけではないのだろう。併せ読めば、現状認識の地平を広げるとともに、相異なった視点をもちながら世界を観察する力量を高められるだろう。

(上)

序 文
第1部 世界はいかにフラット化したか
第1章 われわれが眠っているあいだに
第2章 世界をフラット化した10の力
ベルリンの壁の崩壊と、創造性の新時代
インターネットの普及と、接続の新時代
共同作業を可能にした新しいソフトウェア
アップローディング:コミュニティの力を利用する 他
第3章 三重の集束
第4章 大規模な整理
第2部 アメリカとフラット化する世界
第5章 アメリカと自由貿易――リカードはいまも正しいか?
第6章 無敵の民――新しいミドルクラスの仕事

ピュリツァー賞を3度受賞したジャーナリストが、インド、中国、日本、欧米諸国の経営者や政治家らへの綿密な取材をもとに、今まさに全世界で起きている巨大な変化を鮮やかに活写した「21世紀を生きる人の必読書」が早くも増補改訂版で登場。世界の仕組みは大きく変わった。新しい通信テクノロジーの出現によって、地球上のあらゆる場所にいる人間との共同作業が可能になり、インドや中国へのアウトソーシングが始まった。ブログやGoogleはインターネットに接続する個人にグローバルな競争力を与え、ウォルマートやUPSは人々の想像力を超えた新ビジネスを展開している。いまや、個人の働き方、企業のビジネスモデル、さらには国家のシステムが猛烈な勢いで変わろうとしているのだ。この劇的な大変化こそ、「世界のフラット化」である。全米300万部の大ベストセラーを記録した第1回「ビジネス・ブック・オブ・ジ・イヤー賞」受賞作に、個人がフラット化する世界でどう生き抜くべきかを説いた「あなたとフラット化する世界」と題したセクションを追加、結論もアップデート。

(下) 

第7章 理想の才能を求めて――教育と競争の問題
第8章 静かな危機――科学教育にひそむ恥ずかしい秘密
第9章 これはテストではない
第3部 発展途上国とフラット化する世界
第10章 メキシコの守護聖人の嘆き
第4部 企業とフラット化する世界
第11章 企業はどう対処しているか
第5部 あなたとフラット化する世界
第12章 ローカルのグローバル化
第13章 フラット化が起こっていない?
第14章 みんなが耳をふさぐとき
第6部 地政学とフラット化する世界
第15章 フラットでない世界
第16章 デルの紛争回避理論
結 論 イマジネーション
第17章 二つの選択肢と人間の未来

「世界のフラット化」によって仕事を奪われないために、先進国の人々は何をすべきなのか?子供たちの世代がインドや中国との競争に勝ち抜くには、どんな教育や社会システムを作る必要があるのか?企業はどう対処すべきなのか?誰もが簡単に知り合い、SNSやブログ、YouTubeで瞬時に有名人になる世の中で、私たちはどう生きていけばいいのか?本書後半では、フラット化という重大な試練を乗り越えるための具体的な方法を論じる。そして、フラット化がもつ真の可能性が明らかになる―知識やアイデアが瞬時にして共有化され、あらゆる場所でイノベーションが起こり、サプライチェーンが国家間の戦争を封じ込め、企業だけでなく個人がグローバルに競争するようになれば、世界経済は繁栄の新しい段階を迎えることになるだろう。

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