2歳園児が送迎車内で熱射病死、3時間放置か…北九州
男児が乗っていたワンボックスカー。中央奥は男児が預けられていた保育園
27日午後5時半ごろ、北九州市小倉北区中井1の無認可保育園「中井保育園」(北村寿和園長)の女性保育士(41)から「近くの駐車場に止めた園の送迎車の中で園児がぐったりしている」と119番通報があった。
市消防局の救急隊が駆け付けたところ、同区朝日ケ丘1、会社員浜崎(はまさき)健太郎さん(30)の長男暖人(はると)君(2)が心肺停止状態になっており、病院に運ばれたが午後7時5分ごろ死亡した。熱射病とみられる。
福岡県警小倉北署は、同園職員らが暖人君を3時間以上にわたって車内に置き去りにした可能性が高いとみて、業務上過失致死の疑いもあるとして関係者から事情を聞いている。
同署は28日に司法解剖する予定。市は同日、児童福祉法に基づき保育園を立ち入り調査する。
同署や市消防局によると、暖人君が見つかったのは、保育園から約250メートル離れた銭湯近くの屋外駐車場に止めたワンボックスカー。3列の座席のうち、最後尾の座席前の床にあおむけで倒れていた。車のドアはすべて施錠されており、暖人君は全身に汗をかき、重い脱水症状がみられた。
同園職員らは27日午前10時半ごろ、遠足のためこの車で約550メートル離れた公園に園児を送り、午後1時半ごろ、同じ車で同園に連れて帰った。園児は3回に分けて送られ、暖人君は3回目に車の最後尾に乗った。26歳の女性保育士が運転し、27歳の女性保育士1人が同乗した。3回目には園児は7人いた。同署は、暖人君が車から降りたかどうかを保育士らが明確に確認しなかった可能性があるとみている。
車はその後、同園が入居するビル横の屋外駐車場に止めたが、午後4時50分ごろ、銭湯近くの駐車場に移動した。午後5時ごろ、別の園児が車内に帽子を忘れたことに気付き、車に行った保育士が暖人君を見つけたという。
福岡管区気象台によると、北九州市はこの日午後1時半に33・4度を観測、今年一番の暑さとなった。午後5時半ごろも30度を超えていた。
同園は、同じビルに事務所がある人材派遣業「エスプワール」が経営。市保育課によると、2004年8月に開園し、園児数は06年10月1日現在31人。約10人のスタッフがいる。
(2007年7月27日23時59分 読売新聞)
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