総合女性史研究会編,1993,日本女性の歴史──女のはたらき,角川書店.(11.4.24)
日本史のテキストには、ほとんど男ばかりしか登場しないのはなぜ?
それは、歴史学も、もっぱら男性の学者によって構築されたものだから?
いやいや、そうではなくて、権力と財力をめぐるパワーゲームを担ってきたのが男性だからでしょ?
歴史は男たちがつくりあげてきたものだ──そんな意見に疑義を突きつけるのが、女性を主役にした歴史学の構築である。
本書は、ジェンダー平等へのバックラッシュが起きる前の、女性を主役とした歴史学を構築せんとする女性たちの意気込みが伝わってくる作品だ。
目次
1 原始古代
原始の群れと労働
階級の発生と女性の社会的地位
村と都の生活
里刀自から女帝まで
2 中世
政治権力を握った女性たち
民衆女性のはたらき・くらし
下剋上時代の公家女性
戦国の女たち
3 近世
「主婦」のくらし
女の稼ぎ
政治の世界と女性
日常を超えた女たち
4 近代
近代国家の形成と女性
働く女たちのすがた
くらしの移りかわり
社会の壁にたちむかう
15年戦争のなかで)
5 現代
民主主義の嵐が吹いた
くらしと社会参加
新しい職場とパートタイマー
「平等・開発・平和」の国際連帯と日本の女性