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本と音楽とねこと

平等と効率の福祉革命

Esping-Andersen,Gosta,2009,Incomplete Revolution: Adapting Welfare States to Women's New Roles,Polity Press(=2011,大沢真理監訳『平等と効率の福祉革命――新しい女性の役割』岩波書店(¥3,990)'12.11.6

 自身の福祉レジーム論に対するフェミニズムの立場からの数々の批判、それらに真摯に回答するかのように、調査データに基づきながら、性別役割分業のあり方と、家族をサポートする福祉の水準との連関について、手堅い論考が展開されている。女性(そして男性)の自律と、持続可能な福祉社会の衡平的達成がいかにして実現されうるのか、国際比較から明らかになる知見がとても興味深かった。

目次
序論
第1部
女性の役割の革命と家族
新しい不平等
第2部
家族政策を女性の革命に適応させる
子どもに投資しライフチャンスを平等にする
高齢化と衡平

ほとんどの先進国で所得格差が拡大するなか、キャリアを追求する男女の平等化は進んだ。しかし、高学歴の女性たちがジェンダー平等化の先頭に立ついっぽう、従来通りの性別分業を続ける人びともいる。学歴の似た者同士が結婚するようになった結果、社会が二極化する恐れがある。二極化はさらなる少子高齢化を招き、次世代を育てる上での不平等にもつながる。比較福祉レジーム論の第一人者による、平等と効率の同時達成にむけた、具体的な提言の書。日本の状況についての本格的な解題を付す。

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