著者の打越さんは、DV、離婚の家事事件を数多く手がけてきた弁護士。
現在は、立憲民主党所属の参議院議員。
打越さく良,2015,レンアイ、基本のキ──好きになったらなんでもOK? ,岩波書店.(8.9.24)
つき合った途端「オレの言うことをきけ」と言う彼。「好きなら相手に合わせるのが当たり前」と思う私。「恋愛って相手を束縛することなの?」「一方だけが我慢するのっておかしくない?」。様々なケースから不幸せにならない二人の関係のあり方を考えていく。デートDVに陥らない恋愛の形とは?巻末には相談窓口を付す。
高校生を主たる読み手として想定し、編まれた啓発書。
デートDVや、それにつながりかねない、相手の自由の束縛の問題について、コミック、小説、映画ネタを織り交ぜながら考察する。
若い人のこころに響くであろう、とても良い本だ。
目次
プロローグ 恋愛したい!と考えているあなたへ
1 最高のレンアイって何?
2 好きになったらとまらない?
3 男らしさ、女らしさ、恋人らしさ
4 お母さんとお父さんを見ていると
5 デートDV対処法
エピローグ レンアイ・基本のキ
打越さく良,2016,なぜ妻は突然、離婚を切り出すのか ,祥伝社.(8.9.24)
妻に突然、離婚を切り出された!?いえいえ、突然ではありません。妻はずっと離婚するかしないか悩んでいた、ということが少なくないのです。最近、巷でよく聞かれる「モラハラ離婚」も、そのケースです。夫側にまったく自己認識がないまま、妻を心理的・経済的・身体的に圧迫していたりするのです。本書は、数々の離婚問題を扱ってきた弁護士が、今までの経験や裁判の判例を元に、夫婦の認識の違いを焙り出します。そして見逃してはならない妻の変化や、離婚されないために心がけることについても言及します。転ばぬ先の杖となる一冊!
「熟年離婚」が増え続けている。
同居20年以上の「熟年離婚」、過去最高の21.5% - 厚労省調査
法律婚であれ事実婚であれ恋人関係であれ、相手を尊重できない、自分を尊重してもらえないということになれば、パートナーシップを解消すべきであるし、モラハラ、DVの被害者、とくに女性が離婚を決断するのは悪いことではない。
ただ、「熟年」に達するまでの長年にわたる苦痛を考えると、「もう無理」と思った時点で即別れることのできない不幸に思い至らざるをえない。
「年功給」から「職務給」への転換、最低賃金と児童手当の大幅引き上げをはかり、経済的理由により、不幸な関係性を忍従しないですむようにしなければいけないな。
それにしても、本書でつまびらかにされている、DV、モラハラの事例の酷さにはあきれかえるほかない。
暴言、暴力をふるい、相手の人格を毀損するくらいなら、最初から結婚なんかするなよ、と思う。
家事、育児を分担しなかった男への女の恨みも根深い。
家事、育児、賃労働を、パートナー間で均等にこなすのは当たり前だろう。(相手が病気や障がいで就労できない場合は、均等分担できなくともしようがないが。)
自分の身の回りのことさえできない、しないことが恥ずかしくないのか、不思議でしようがない。
目次
第1章 夫婦円満、本当ですか?
絵に描いたような幸せな夫婦?
夫婦間の認識の違い ほか
第2章 こんなサインに気づけたら
そもそもDVとは
こんな変化がありませんか ほか
第3章 突然の離婚の申し入れ
離婚の申し入れに驚愕して
代理人を通してではなく、直接話し合いたい ほか
第4章 裁判所に行くことになってしまったら
勝手に出て行ったのだから、生活費は自分で持ってほしい
私立に行かせる必要なんてない。学費は負担しない ほか
第5章 離婚(突然離婚)を避けるためのアドバイス
覆水盆に返らず
まだやり直せるなら ほか