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「福祉国家から監獄国家へ」、欧米に広がるこの深刻な事態を、本書は、詳細に教えてくれる。
アメリカ合衆国ではじまった、刑務所の拡大、拡張と、とくに黒人貧困層を対象とした、過剰な取り締まりと収監。
福祉、教育予算は削減し、刑務所にその削減分をつぎこむ。緊縮財政、規制緩和、民営化、そして「監獄国家」化。エリザベス救貧法下での、生活困窮者の「懲治院」収容を彷彿とさせる事態に、戦慄する。
福祉国家の解体と労働市場の規制緩和―「小さな政府」への転換は、増大する貧困層を管理する厳しい刑罰政策なしには成り立たない。変貌する現代国家の矛盾をブルデュー社会学の観点から鋭く問い直し、世界19ヶ国語に翻訳された注目の書。
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