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編集者から提案されたらしい「友だち地獄」というタイトルも秀逸だが、全体をざっくりつらぬく「優しい関係」というキーワードもとても印象的だ。
見田宗介の「まなざしの地獄」、栗原彬の『やさしさのゆくえ=現代青年論』、はてまた大澤真幸の『虚構の時代の果て』といった名作を彷彿とさせる優れた論考だ。
誰からも傷つけられたくないし、傷つけたくもない。そういう繊細な「優しさ」が、いまの若い世代の生きづらさを生んでいる。周囲から浮いてしまわないよう神経を張りつめ、その場の空気を読む。誰にも振り向いてもらえないかもしれないとおびえながら、ケータイ・メールでお互いのつながりを確かめ合う。いじめやひきこもり、リストカットといった現象を取り上げ、その背景には何があるのか、気鋭の社会学者が鋭く迫る。
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