
『精神病棟の二十年』の続篇にあたる作品だが、出版社のコピー↓は、この本の価値を正しく伝えていない。
本書は、統合失調症、性愛遍歴、仕事、そして文学作品や宗教への傾倒など、さまざまな経験が曼荼羅のごとく錯綜し、混沌とした想念がときに脈絡なく綴られた当事者の記録である。
さまざまな妄想の内容もユニークであるが、なんといっても、叙述に表れた、無秩序に噴出、連鎖する粘着的な想念に圧倒される。
私は中空の一角でSさんとセックスをしている。それがありありと見える。突然、別の男に変わった。こうした幻覚が延々と続いた―。二十年間を精神病棟で過ごした著者が再び綴る赤裸な体験。父の発症から、同じ病を抱える妻との生活、そして患者同士による院内性交渉の実態にまで踏み込んだ告白の書。
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事