村山由佳,2003,海を抱く──BAD KIDS,集英社.(1.7.25)
超高校級サーファーであり誰とでも寝る軽いやつと風評のある光秀。一方、まじめで成績優秀、校内随一の優等生の恵理。接点のほとんどない二人がある出来事をきっかけに性的な関係をもつようになる。それは互いの欲望を満たすだけの関わり、のはずだった。それぞれが内に抱える厳しい現実と悩み、それは体を重ねることで癒されていくのか。真摯に生きようとする18歳の心と体を描く青春長編小説。
二人の主人公、恵理と光秀──高校生の女の子と男の子の繊細なセクシュアリティのありようが、とてもリアルに描かれている。
大人の鑑賞に耐えられる青春小説の傑作だ。
過去の記憶と重ね合わせ、甘酸っぱく切ない感傷に浸れるかもしれない。