井上荒野,2018,その話は今日はやめておきましょう,毎日新聞出版.(11.14.24)
一人の青年の出現によって、揺らぎ始める定年後夫婦の穏やかな日常─ 。老いゆく者の心理をとらえた著者の新境地。
ロードバイクでのサイクリングを共通の趣味とする老夫婦と、家事手伝いとして雇われた青年との確執を描いた長編小説。
だれでも老いる。
老いるとともに心身ともに弱っていくのはこれまただれでも一緒だ。
それがわかっていても、老いを認め、受け入れていくのは、なかなか難しいことでもある。
そこいらへんの哀しさがとてもよく描かれているように思った。
人口構成の高齢化が進んでいるのだから、老人を主人公とした、琴線に触れる物語がもっとあって良い。