阿部真大,2012,ハタチの原点──仕事、恋愛、家族のこれから,筑摩書房.(11.26.24)
就活、失敗したくないし、恋愛も結婚もしたいし…。自分の将来って、どうなるの?76年生まれの社会学者が、20代に向けて熱く語る、まったく新しい「生き方」ガイド。この社会の仕組みも、見えてくる。
「好きを仕事に」というメッセージは、職業が人間の願望、志向性に合わせて成立しているのではない以上、「仕事は生計を得るため」というそれよりも、就職した若者をよけいに苦しませることになりかねない。
また、「好きを仕事に」したならしたで、「自己実現系ワーカホリック」に陥るリスクも生じる。
若者が、継続できる仕事を模索するのにじゅうぶんな猶予を与えられるためにも、また、人生のいつであっても、学びなおせる、あるいは転職できる機会を保障されるためにも、新卒者一括採用を廃止、はできなくとも、縮小する必要がある点についても同感だ。
目次
第1部 ドキドキの行方―消費から仕事へ
自己実現系ワーカホリックの起源
好きと仕事
第二ロスジェネの登場
派遣社員と正写真
二つの「純愛」
変化する合コン
第2部 ○○年代の仕事論
サンドイッチ・ブルース
キツい仕事と「癒し」
息苦しい日本の職場―監視される労働
第3部 これまでの家族/これからの家族
いまとは異なる家族の姿
家族の「原風景」
これからの家族