晩婚化・未婚化、離婚の増加、1997年以降のニューエコノミーの到来によるワーキングプアの急増等により、男性稼得者家族扶養モデルが機能しなくなっているにも関わらず、所得税制、社会保険制度は旧態依然のままであり、社会保障の機能不全が深刻化している。最低賃金と生活保護給付額の負のスパイラル問題も含め、国家が、最低生活保障の責任を放棄している実態と、そのような最低責務さえ果たさない政府の無策を実質的に容認している国民の民度の低さを実感させられる。
目次
第1部 ここがおかしい社会保障
生活保護給付より低い最低賃金額―最低賃金の意味変化
壮年・親同居未婚者の今後―親による社会保障の限界
高学歴ワーキングプア―勉強が報われないという現実
年金保険料を払う専業主婦―年金負担の不公平
遺族年金を利用して一生楽に暮らす方法―遺族年金の矛盾 ほか
第2部 社会保障制度の構造改革
ワーキングプア出現の意味―社会保障・福祉制度の前提の崩壊
ワーキングプア増大の原因と意味
ライフコースの不確実化
社会保障・福祉制度の構造転換を目指して
生活保護給付金よりも低い「最低賃金」から年金負担の不公平まで、ワーキングプア時代における社会保障制度の問題点をえぐりだす。親の年金で暮らす「パラサイト・中高年」や高学歴ワーキングプアの増大、高齢者層の生活格差に歯止めをかけるために何ができるのだろうか。セーフティネット再構築へ向けた瞠目の書。
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