介護現場での過酷な労働についてのルポルタージュは数多い。しかし、一方で、介護労働を篤志な行為として称え、低賃金高密度長時間労働の実態や職場でのハラスメント問題を隠蔽化しようとする者もいる。いずれにせよ、介護保険制度施行以降に限っても、ケアワーカーの劣悪な処遇実態は変わっていない。このまま、団塊世代が後期高齢者に移行する2025年に向けて、国家による要介護高齢者のネグレクトが進行するのは必至であり、すでに地獄の釜が口を開けていることをわたしたちは知るべきだろう。
目次
序章 扉が開いて
第1章 「混沌」への招待
第2章 強ストレス職場の日々
第3章 「高齢」という現実
第4章 真夏の夜の夢
第5章 モラルハザードのはざまで
第6章 出られない人たち
終章 せめてもの未来を
かけた優しい言葉とは裏腹に、心の中では毒づいている。「我が侭言うなよ…」苛立つ職員。荒くなる作業。介護者、入居者共に我慢の24時間。人は介護を受けるために生きているのではなく、生きるために介護を受けているはずなのに―。齢50を過ぎてヘルパー2級を取得し、時給850円で働く作家が目の当たりにした、終の棲家の現実とは。老親を持つ世代必読のノンフィクション。
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