雨宮処凛,2024,死なないノウハウ──独り身の「金欠」から「散骨」まで,光文社.(7.13.24)
「働けなくなったら」「お金がなくなったら」「親の介護が必要になったら」…。「これから先」を考えると押し寄せる不安。頼る人がいなければ、最悪、死ぬしかないのか?そして自らの死後、大切なペットは?スマホやサブスクの解約は?この先が不安で仕方ないアラフィフが専門家に取材。社会保障を使いこなすコツや各種困り事の相談先など、人生の荒波の中で「死なない」ためのサバイバル術を一冊に。
日本のほとんどの社会福祉には「申請主義」が貫徹しているので、制度を知らなければ使えるはずの資源も無駄になる。
本書では、金銭、労働、介護、健康等にかかわる社会保障、だれでも使える社会資源について、縷々、紹介されている。
心配しすぎてもしようがないが、自らが死んだ後の事後処理のことを考えると、死んでも死にきれない気持ちになってくる。
ペットのこと、資産の処理、サブスクの解約、ネットの諸アカウントの削除、そして埋葬・・・だれか一緒に暮らしている人がいれば、これらの手続きについてしっかり伝えていくことが必要だろう。
一人暮らしの場合、頼りになるのは、親友である。
不安であれば、死期が見えてきた時点で、上野千鶴子さんのように(?)、偽装結婚するのも手だろう。
専門業者による死後処理のニーズは、確実に高まっていく。
ネットで検索すれば、数多くの業者がヒットするが、果たして良質のサービスを確実に提供してくれるのか、不安になる。
国か自治体による認証、評価のしくみが必要だ。
ペットは・・・自らの年齢と相談して、新しく飼うのは諦めるしかないだろうな。
目次
序章 私の経験
第1章 お金―社会福祉士・横山北斗さんに聞く
第2章 仕事―プレカリアートユニオン執行委員長・清水直子さんに聞く
第3章 親の介護―「みんなの介護」編集部/一般社団法人LMN・遠藤英樹さんに聞く
第4章 健康―CSRプロジェクト・桜井なおみさんに聞く
第5章 トラブル―相談室ぱどる・原昌平さんに聞く
第6章 死―一般社団法人LMN・遠藤英樹さん/相談室ぱどる・原昌平さんに聞く