3.11以降、マスコミで流布された虫唾が走るような空虚な言葉に抗し、「言葉と言葉の間の屍」、「人間存在の根源的無責任さ」といったキーコンセプトを中心に、大震災・原発事故以降の心情を赤裸々に叙述する。一つ一つの言葉がずしりと重い。
目次
第一章 入江は孕んでいた―記憶と予兆
第二章 すべてのことは起こりうる―破壊と畏怖
第三章 心の戒厳令―言葉と暴力
第四章 内面の被爆―記号と実体
第五章 人類滅亡後の眺め―自由と退行
第六章 わたしの死者―主体と内省
3・11後、ますますあらわになる言語の単純化・縮小・下からの統制。「日本はどのように再生すべきか」…発せられた瞬間に腐り死んでいくこれらの言葉に抗して、“死者”ひとりびとりの沈黙にとどけるべき言葉とはなにか。表現の根拠となる故郷を根こそぎにされた作家が、それでもなお、人間の極限を描ききった原民喜、石原吉郎、堀田善衛らの言葉を手がかりに、自らの文学の根源を賭け問う渾身の書。
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