下重暁子,2016,家族という病2 ,幻冬舎.(8.12.24)
幸せな家族を幻想し、理想の夫婦像、親子関係を築かねば、とストレスを高じさせる日本人。本書では、家族のしがらみや囚われの多い日本の実態を一刀両断。「欧米人は日本の家族が理解できない」「子供を無理心中に巻き込むおかしさ」「なぜ不倫で女ばかりが責められるのか」といった日本独特の家族の謎に迫るほか、「年を取ることは個性的になること」「親の介護を楽しむ極意」「男の本音を見抜く方法」「自分を家族から解放する」等々、家族という病を克服し、より充実した人生を送るヒントを示唆。60万部突破のベストセラー『家族という病』、待望の第2弾。
1936年生まれの下重さんが、男社会のマスコミで働き続けるのは、たいへんなことだったろう。
セクハラもあったであろうことは想像に難くないが、怨恨を残さないようにするためか、言及はない。
夫婦同姓強制の法制度については、怒りを込めて批判しているが、共感しかない。
下重さんは、かなり例外的、特異な、高階層の出自であるけれども、それゆえに、この世代にしては珍しいリベラルな家族観を持ち得たのであろう。
目次
第1章 『家族という病』への世間の反応
家族の問題は一人で抱え込んではいけない
『家族という病』の賛否両論は本望 ほか
第2章 欧米人は日本の家族が理解できない
なぜ日本人はいっせいに笑うのか
旅先で必ずお土産を買う日本人 ほか
第3章 不倫と家族
なぜ「家庭を持って一人前」とみなすのか
家庭にしばられたくない女性が増えている ほか
第4章 個として生きる
寝室を別にしてわかったこと
年を取ることは個性的になること ほか
第5章 家族という病の処方箋
家族が他界していてもつながれる
父との思い出 ほか