楽天ポイント、大量取得続出で混乱 キャンペーンを休止
2006年01月11日11時51分
ネット商店街の楽天で買い物する際に商品券として使えるポイントをめぐり、1人の利用者が無料付与キャンペーンを使って複数名義で大量に取得する例が相次ぎ、楽天はキャンペーンを1カ月余りで休止した。楽天は「千数百万円分のポイントが不正に取得された」としている。楽天は無料で与えた全ポイントをいったん取り消し、「不正取得」と判断したポイントで買い物をした会員には代金を請求している。航空会社のマイレージなどポイント付与サービスが広がるなか、制度の不備をついた騒ぎといえそうだ。
この会員サービスは「楽天スーパーポイント」と呼ばれ、購入額などに応じて会員に与えられて、次の買い物で1ポイント=1円として使える。
楽天は新規顧客を増やすため、12月上旬から1月末をめどに、ポイントを無料で与えるキャンペーンを展開。全日本空輸や朝日新聞社などのサイトと提携し、楽天の特設ページで手続きするだけで300~500ポイント程度を与えた。キャンペーンには複数の種類があり、会員1人につき2000ポイント程度を取得できる。
ところが1人で複数名義の会員登録が可能なため、合計で大量のポイントを得るケースが続出。この手法がネット上の掲示板で紹介されたことで、さらに広がった。合計で数十万ポイント取得した会員もいた模様だ。仮に100人の名義で2000ポイントずつ取得すれば、2000円の商品が100個買えたことになる。
このため楽天は今月9日、無料ポイントをいったん全部取り消した。そのうえで調査を進め、「不正取得」と判断したポイントによる買い物は、そのポイント分の代金を請求することを決めた。一方、取り消したポイントのうち、正規取得と判断した分は会員に返すという。
楽天は、会員の家族がそれぞれ登録するケースなどを想定し、複数名義の会員登録を禁じていない。今回のキャンペーンでは、1人で取得できるポイントに制限は設けていなかった。しかし、利用規約では楽天側の判断でポイントを取り消せるとしており、今回の措置について「常識を外れた行為が目立ったため」と説明している。
(asahi.com)
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