沢木文,2016,貧困女子のリアル,小学館.(8.24.24)
なぜ、こんなに辛いの? 30代女子の本音
社会的に注目されている貧困女子はシングルマザーなどが多かったが、ここにきて、短大や大学を卒業した30代女性たちが貧困状態に陥っていることが表面化してきた。街金での借金、親からのDV、男性への依存など、悲惨な現状はネットや雑誌でも話題になり、反響は大きい。学歴があるのに、なぜお金に困るのか、なぜ人生を捨てたような日常になってしまうのか。親や上司の世代には理解しがたい驚くべき現実、そして意外と共感できるという同世代の女性たち。社会問題としての貧困女子を浮き彫りにする。
DIME増刊『Suits WOMAN』のサイトで大反響を巻き起こした「貧困女子」を、追加取材でさらに深掘り。
就職氷河期世代とはいえ、ごくフツーの大卒の働く女性が、エステ、化粧品や服やバッグに散財し、借金まみれになっていく、そうした事例が続く。
女であることをこじらせたり、仕事にいくばくかの自己の存在意義も見いだせなかったりと、貧困生活への転落要因はさまざまであろうが、「東電OLはわたしだ!」的な生きづらさはとてもよく理解できる。
孤独を怖れずむしろそれを楽しむこと、恋愛や性愛に執着しないこと、仕事や余暇活動に多少の自己実現的要素を見いだすこと、これらが実現できたら、人生、そんなに辛くもならないだろうにな、そんなことを思った。
目次
第1章 親との問題―支配を愛情と思い込んだ結果は
第2章 見栄―無自覚に消費してしまう浪費女子
第3章 借金―人間関係を維持するための借金
第4章 強いコンプレックス―男性依存、恋愛依存
第5章 学歴―学歴と貧困との関係は?
第6章 ワーキングプア―苦労が癖になる人たち