些末な単純集計の結果を延々と記述する部分はさすがに辟易したが、人々の価値観がどのように変化し、現状はどうなのか、とくに第二次安倍政権を支持した層について詳しく取り上げてくれるのは、この手の意識調査をフォローできていない者にはたすかる。
一読して、日本人が劣化したのではなく、もともと知性、教養の劣った国民性が、第二次安倍政権以降、鮮明になっただけのように思った。安倍晋三は、姿見に映った国民の似姿そのものであった。
人口、GDP、賃金、論文数、ジェンダー平等、メディア…あらゆる指標で停滞・衰退を隠せない日本。世界でのプレゼンスが希薄になりつつある今、「普通の人々」は何を求めて毎日を暮らしているのか?最新調査で判明したのは、ささやかな幸福への願望と社会に対する不満の減少、無関心だった。長期にわたった安倍政権に対する評価からも見えてくる「日本の現在地」を徹底分析。
目次
第1章 オワコン日本
62%が日本の繁栄はすでに終わっていると思っている
消費における格差の定着―資生堂、トヨタ、花王などの変化
第2章 「ニセ中流」の出現と日本の「分断」―デフレに慣れた人々
「平均点」の低下
生活満足度・人生観・日本認識
第3章 「強さ」を求める時代―安倍政権8年を誰が支えたのか
属性別に見た安倍政権評価
安倍政権評価と階層意識・人生観・日本認識
安倍政権評価とメディア・消費
第4章 ユーミンはなぜ泣いたか?―バブル世代下流中年と安倍政権
安倍政権評価と日本認識
下流なのに安倍政権評価が高い人々
第5章 さよなら、おじさん―若者はなぜ東京集中・地方移住するか
地方の女性はなぜ東京に集まるのか?
移住希望者と非・希望者の意識の違い
あとがき
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