経済の高成長期、手段的行為の永続的な自己目的化により、忘却されたかのようであったコンサマトリーな価値。成熟した高度大衆消費社会への移行にともない、誇示ではなく自己充足的、浪費ではなく時間充足的な消費生活が志向されるようになり、SNSの隆盛にみられるように、他者との関わりそのものを楽しむ「社交」の重要性が高まってきた。このような趨勢を半ば予見するかのように書かれた本書の価値は高い。
目次
序章 社交への飢餓
第1章 現象としての社交
第2章 社交の社会学
第3章 社交と現代社会論
第4章 社交と遊戯
第5章 「アルス」の終焉
第6章 社交の興亡
第7章 社交と経済
第8章 社交と政治
第9章 社交と文化、文明
第10章 社交と自我
終章 グローバル化と社交社会
グローバル化によって衰退する組織原理。国家や企業を離れ、茫漠とした「地球社会」のなかに曝される現代人に、はたして心の居場所はあるのか。「社交」の復権による新しい人間学。
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