本書は、桃山学院大学に提出された博士論文に、修正を加え、加筆したものである。
慣れない学術論文を執筆する苦労があったのだろう、お世辞にも文章が巧いとは言えず、読みにくい。
それでも、自らも精神を病んだ経験をもつ加藤さんは、精神障害当事者のピアカウンセリングの経験と、当事者の語りを生かして、懸命に当事者本位のソーシャルワークのあり方を模索する。
精神障害当事者は、典型的なサバルタン(自らを語る言葉を奪われた人々)であり、当事者の語りをひきだしそれを書物に再現したことの意義は大きい。
「支援される人」の役割からの生還―言葉を奪われてきた人々、人生を奪われてきた人々が語り合い、聴き合い、体験的知識を分かち合うセルフ・ヘルプ活動の可能性。
目次
序章 研究の目的と方法
第1章 戦後日本の精神医療保健福祉の展開
第2章 NPO法人精神障害者ピアサポートセンターこらーるたいとうの実践と課題
第3章 アメリカ・マサチューセッツ州ボストン市の当事者活動
第4章 クロスアビリティ―自分との出会い
第5章 当事者出身のソーシャルワーカーの可能性と課題
第6章 エンパワメントの可能性を求めて
終章 自立生活の展開に向けて
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