宝島社の『利権の真相』シリーズを読むのと、本書を読むのとでは、解放同盟への印象がずいぶんと異なることだろう。どちらかがまちがっているというわけではない。現実とは、つねに「羅生門」的なるものなのだから。
本書の読みどころは、被差別の歴史についての解説と、人はなぜ他者を差別してしまうのかを考察した部分だ。自らの「糾弾」によって深く傷ついた人への想像力が未だこの人にははたらいていないらしいのが残念。
被差別出身者であることに悩み、隠し、二十八歳にして「これこそオレが言いたかったことだ」と、初めて解放運動に目覚める。その後の解放運動の中で「糾弾屋」と呼ばれた著者が、山あり谷ありの自らの半生を振り返り、どのように試行錯誤してきたか、どのように解放運動と取り組んできたかを、次の世代の若い仲間に生き生きと伝える。
(「BOOK」データベースより)
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