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本と音楽とねこと

ソーシャルメディア中毒

高橋暁子,2014,『ソーシャルメディア中毒──つながりに溺れる人たち』幻冬舎.(4.21.2018)

 名前を売ることが即利益につながる有名人ならわかるが、四六時中、ツイートしたり、Facebookやインスタグラムに投稿する人たちの承認欲求、自己顕示欲求には痛々しいものがある。外部からは見えないLineでのやりとりに精神的に消耗している人も多いだろう。
 表情、声音、身振りしぐさ等、発話内容だけではわからないメッセージをやり取りするのが、対面コミュニケーションである。それが面倒くさくなったわたしたちは、電話でことを済ませるようになり、そして現在はメール、さらにはLineやメッセンジャーでメッセージをやり取りするようになった。
 だからといって、学校や職場で対面コミュニケーションが必要でなくなるわけではない。口頭での問いかけへの反応が鈍い学生が増えているように感じるのは、わたしだけではないと思う。他者から承認され自己肯定感がもてるのは、対面コミュニケーションの積み重ねをおいてほかにはないことを、わたしたちは自覚すべきだろう。書き言葉やスタンプ等による無意味なメッセージのとめどなき連鎖からはなにも生まれはしないのである。

目次
第1章 今、若者のあいだで何が起きているのか?
第2章 止まらない承認欲求の連鎖
第3章 進化するネットいじめ
第4章 あらゆる人に迫るネット依存
第5章 大人社会に蔓延するSNSの闇と罠
第6章 「ソーシャル疲れ」が呼び込むうつと孤独
第7章 SNSがもたらす違和感
第8章 ソーシャルメディア中毒への処方箋

全国でネット依存の可能性がある人は421万人、中高生は51万8千人といわれている。ミクシィの誕生から10年。SNSはコミュニケーションインフラと化した一方で、若者を中心に問題が後を絶たない。なぜ事件は頻発するのか、なぜ依存してしまうのか。その危険性と不自由さを暴くと共に、SNSを避けて通れない現状とどう付き合っていくべきか、元教員のITジャーナリストが独自の観点で解き明かす。

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