エスピン-アンデルセン等による比較福祉レジーム論をふまえ、レギュラシオン理論の視点から、新自由主義、グローバル化、ポスト工業化、フレキシキュリティ、これらをどう位置づけ評価するのか、興味の尽きない議論が展開されている。ワークフェアと資産形成型成長国家に対抗する、アクティベーションと社会的投資国家の可能性と限界について、深く考えさせられる良い論考だ。
目次
第1部 資本主義と国家の変容
資本主義市場経済と国家―経済学における国家の位置づけ
資本主義・国家・家族―社会的レギュラシオンの展開
福祉国家論の展開とレキュラシオン理論
第2部 グローバル化・ポスト工業化と21世紀の国家像
グローバル化と国民国家のゆくえ―21世紀国家論の課題
新自由主義と国家介入の再定義―新自由主義的競争国家の出現
新しい社会的リスクと社会的投資国家
生物多様性の危機と環境国家―国家主権から人類主権へ
第3部 労働‐福祉ネクサスとフレキシキュリティ
資産形成型成長体制と賃金労働社会の不安定性
フレキシキュリティの多様性とデンマーク・モデル
欧州経済危機とフレキシキュリティ―デンマーク・モデルのストレステスト
移動的労働市場と選択可能な社会への道
21世紀資本主義の対立軸―労働と福祉の観点から
21世紀の国家像と新自由主義への対抗軸。グローバリゼーションは、我々の選択の余地を狭めている。そして、市場経済への従属を余儀なくされている。本書では、そのような状況のなか、フレキシキュリティ、デンマーク・モデル、移動的労働市場を検討し、選択可能な社会のあり方を問う。
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