安易に現実を単純化したり感傷に浸るわけでもない、石井光太ならではの現実描写が本書でも冴えわたっている。死んでしまうより悲惨な現実を生き抜いた方がまだまし、この身もふたもない事実が読む者に重くのしかかってくることだろう。
目次
第1章 餓死現場での生き方
第2章 児童労働の裏側
第3章 無教養が生むもの、奪うもの
第4章 児童結婚という性生活
第5章 ストリートチルドレンの下克上
第6章 子供兵が見ている世界
第7章 なぜエイズは貧困国で広がるのか
飢餓に瀕して、骨と皮だけになった栄養失調の子供たち。外国の貧困地域の象徴としてメディアに描かれる彼らも、ただ死を待っているわけではなく、日々を生き延びている。お腹がふくれた状態でサッカーをしたり、化粧をしたりしているのだ。ストリートチルドレンや子供兵だって恋愛をするし、結婚をするし、子供を生む。「餓死現場」にも人間としての日常生活はある。世界各地のスラムで彼らと寝食を共にした著者が、その体験をもとに、見過ごされてきた現実を克明に綴る。
最新の画像もっと見る
最近の「本」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事