認知症の高齢者が、JR東海の線路に立ち入り列車に轢かれ、遺族が多額の損害賠償請求訴訟を起こされた事件。わたしも、新聞記事で成り行きを注意深くおっていた記憶がある。
一審、二審で敗訴、そして、最高裁で勝訴。本書は、そのいきさつと、最高裁勝訴の意義を明示したものである。
在宅介護を受ける認知症者が、「一人歩き」の挙句、事故にあうことが増えている。とくに、列車事故にあう場合、鉄道会社にも多額の損害金が生じる。だからといって、遺族に責任をおしつけるのは、認知症高齢者の在宅生活を否定し、介護する家族や施設職員に認知症高齢者の建物内隔離を余儀なくさせることになりかねない。
鉄道事業者は、遺族に損害賠償をもとめるどころか、駅ホームの転落防止、線路内立ち入り防止策を講じ、全路線の高架化を行うべきである。それができなければ、さっさと鉄道事業から撤退すべきだろう。
線香の一本もないまま、ある日突然、JR東海から720万円の請求書!悪しき判例を残さぬため、息子は巨大企業と闘うことを決めた。その全記録!息子と裁判を支えた援軍10人の寄稿文も収録!
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