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本と音楽とねこと

グローバリゼーションと社会学

宮島喬・舩橋晴俊・友枝敏雄・遠藤薫編著,2013,『グローバリゼーションと社会学──モダニティ・グローバリティ・社会的公正』ミネルヴァ書房('17.6.10)

 本書は、良くも悪くも、グローバリゼーションを対象とした社会学研究の到達点を示すものであろうから、ここからさらなる議論の発展と精緻化をはかる必要があるわけだが、グローバリゼーションの要因でありそのさらなる促進もしくは抑制につながる、イノベーションとナショナリズムの近年の動向についてあまり触れられていないのが残念だった。最後の、退屈極まりない数理社会学の議論はまったくの無駄だ。

目次
グローバリゼーションと社会学
第1部 公正な社会を求めて
グローバリゼーションの経験と場所
グローバリゼーションとEUのアイデンティティ―国民国家からいずこへ
アジアにおけるグローバリゼーションとローカルなもの―メガシティ・ジャカルタの都市再生をめぐって
グローバリゼーションから「アジア社会学」へ―新たな学問的要請をめぐって
グローバリゼーションとフェミニズムの挑戦
リスク社会と再帰性―福島第一原発事故をめぐって
グローバリゼーションとエネルギー・環境問題―システム準拠的制御の可能性
第2部 モダニティからグローバリティへ
第二の近代と社会理論
モダニティのあとの社会学の課題―グローバリゼーションにおける可能性
モダニティの理想と現実―グローバル時代のコミュニティとアイデンティティ
モダニティ・グローバリティ・メディアリティの交差―社会変動をあらたな視座からとらえる
文化のグローバル化と「グローバル文化」論
グローバル化社会の理論社会学

グローバリゼーションは社会学になにをもたらすのだろうか。本書は、第1部においてはグローバリゼーションの現実過程に多彩な視角から接近し、第2部においてはグローバリティへといたる歴史変動のダイナミズムを理論的に読み解くことを通して、21世紀における社会学のアイデンティティを問う。

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