渡邉映子・勝倉孝治編,2003,『はじめて学ぶ人の臨床心理学』中央法規出版(¥2,625)09.5.28 比較的新しい心理療法も含めて、臨床心理学の基礎が通覧できる。平板な記述が目立つものの、知見の網羅性という点では優れた入門書だ。 しかし、児童虐待等の社会問題についての記述において、あまりに社会・経済的要因についての理解が欠落しており、少々あきれた。これは、問題の所在を人間のこころの枠内でしか把握できない心理学者、その致命的な欠陥だろう。