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本と音楽とねこと

この国の不寛容の果てに

雨宮処凛編著,2019,この国の不寛容の果てに──相模原事件と私たちの時代,大月書店.(8.1.2020)

 4年前、2016年7月26日に起こった、「やまゆり園」入所者大量殺傷事件は衝撃であった。
 わたしたちが戦慄したのは、その犯行の凶悪さだけでなく、「意思疎通のとれない人間は“心失者”で、心失者は人の幸せを奪い、不幸をばら撒く存在なのだから(、殺さなければならなかった)」というおぞましい思想と、その思想が少なからぬ共鳴を得ていったことにある。
 雨宮処凛さんと6人の人々との対話をとおして、この事件から明るみになったこの国の底知れぬ深さの病理を再認識した思いだ。

目次
序章 私自身の「内なる植松」との対話(雨宮処凛)
1章 植松被告は私に「いつまで息子を生かしておくのですか」と尋ねた
神戸金史(RKB毎日放送記者)×雨宮処凛
2章 「生産性」よりも「必要性」を胸を張って語ろう
熊谷晋一郎(東京大学先端科学技術センター准教授、小児科医)×雨宮処凛
3章 命を語るときこそ、ファクト重視で冷静な議論を
岩永直子(BuzzFeed Japan記者)×雨宮処凛
4章 ロスジェネ世代に強いられた「生存のための闘争」の物語
杉田俊介(批評家、元障害者ヘルパー)×雨宮処凛
5章 みんなで我慢するのをやめて、ただ対話すればいい
森川すいめい(精神科医)×雨宮処凛
6章 植松被告がもしも「べてるの家」につながっていたら
向谷地生良(浦河べてるの家ソーシャルワーカー)×雨宮処凛
あとがき

命の選別は「しかたない」のか?「生産性」「自己責任」「迷惑」「一人で死ね」…不寛容な言葉に溢れたこの国で、男は19人の障害者を殺した。「障害者は不幸しか作らない」という線引きによって。沈みゆく社会で、それでも「殺すな」と叫ぶ、命をめぐる対話集。

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