マックス・ウェーバーの近代官僚制論をしたじきに、サービス産業における、効率性、計算可能性、予測可能性を追求する世界のあり方とその問題点とを論じる。
リッツアが指摘する「合理性の非合理性」とは、ウェーバーとロバート・マートンが論じた「官僚制の逆機能」に相当するものであるが、社会学が、久しく、「人間疎外」と呼んできた社会現象が現代でも不変であることを教えてくれる。そして、その疎外の度合いは、人間の生命(出生前診断)とその死(終末期医療と葬送のパッケージ化)において、頂点に達する。
岩波文庫にでもおさめて再出版してほしい作品だ。
目次
1章 マクドナルド化入門
2章 マクドナルド化とその先駆者たち―鉄の檻からファストフード工場まで
3章 効率性―フィンガーフードをほおばって魔法の世界をドライブする
4章 計算可能性―ビッグマックと小さなポテト
5章 予測可能性―丘の上の小さな家には雨が降らない
6章 制御―ロボット人間と機械ロボット
7章 合理性の非合理性―「楽しげに行列している者たちの交通渋滞」
8章 マクドナルド化の鉄の檻
9章 マクドナルド化の最先端分野―誕生、死亡、そしてそれ以後
10章 マクドナルド化する社会のなかで生きるための実用ガイド
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